宛名
昨日の記事を取り上げていただきました。
晴丸さんがどの段階の人に向けて書いているかはわからないけど、私はね、まずは書いてみるというのが一番良いと思うの。何も考えずに書けるところまで書いてみる。それで自分で読み返してみて、まだうまく書けるはずと悔しく思うことが上達の原動力じゃないかしら。晴丸さんもたぶんそういう時期があったと思うわ。そこをすっ飛ばして今ぐらい書けたのなら天才だと自慢できるわよ。
デイジーのまとめNo.24『出版社で出しませんかと言われたらKDP版はどうしたらいいの?』『紙になった王木亡一朗』『晴丸さんの創作論』その他色々だけど、主成分は一個目 - 牛のげっぷ
晴丸は頭でっかちで、理屈から入らないと出来ないタイプでした。
「自由に書けばいいよ」といわれると、どうしたらいいのかわからなくてまったく手が動かせない。そういうタイプです。
創作をはじめた当初は、右も左も分からず創作ハウツー本の類いを読みあさり、そこに書いてある方法を片っ端から試していきました。
そうこうしているうちに、どうにかこうにか自力で創作が出来るようになっていき……現在に至ります。
なのでこのブログは、
「創作してみたいと思っても、どう手をつけたらいいのかわからない」
「創作をしているけど、他の人のやり方を知りたい」
「もっとレベルアップしたい」
という人の参考になったらいいな、と思いながら、晴丸の試して有効だった・現在使っている方法を記していくつもりです。
ですので、参考になる部分もあれば全くならないものもあると思います。
使える部分だけ、上手いこと使ってもらえたらな、と思います。
推敲の仕方。
こんにちは、晴丸です。
今日は、プロットを建てた後や、作品が一通り書き上がり推敲をする際に気をつけたいポイントを自戒を込めながら書いていこうと思います。
1、シーンに無駄はないか。
昨日、長編は30~40シーンで考える、という話を書きました。それをもとに、無駄なシーンはないかを考えていきます。
ここで気をつけたいのは、お色気シーン=無駄になるとは限らない、ということです。お色気だけではないですが、一見無駄に見えるシーンに、後々のキーになる要素をちりばめておくと効果的です。
2、キャラクターに無駄はないか。
キャラクターの設定でストーリーに絡みもせず、使えないものはないか。そもそも、このキャラクターは本当に必要だったのか……他のキャラクターには出来ない役割を果たしているのかを考えていきます。
他のキャラクターでもいい場合は、バッサリとそのキャラクター自体をボツにしてしまうこともあります。
3、矛盾はないか。
これはそのままです。推敲していると、時々その場にいないはずのキャラクターが突然出てきていたり、その逆があったりします。そういった部分がないかをチェックしていきます。
4、この作品の見せ場とそこを一番盛り上げるための工夫は?
プロットを建てるときにここに気を遣うと思いますが、実際に書き上げて、そこがきちんと盛り上がるように見えるか。工夫は効いているのかをチェックします。
5、世界観は明示されているか。
最近は異世界モノが流行っていたりしますが、異世界であるならどのような世界であるのかが明示されているかをチェックしていきます。
6、日本語として誤った使い方をしていないか。
そのままです。もしも心配な表現があったら、ググれば大体わかります。
7、意味の取りづらい文章はないか。
日本語は読点の打ち方一つで意味合いが変わってしまうことがあるとても繊細な言語です。なので、自分の意図通りの文章になっているかをチェックします。
いわゆる上手な文章かどうか、ということです。かなり好みも交じってくるので善し悪しは決めにくいですが、誰にとっても読み辛い文章というのはあります。
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そのあたりを学びたい方には、この本がおすすめです。
わかりやすく文章の基本が書いてあり参考になります。
8、削りすぎていないか。
チェックしていくと、無駄無駄とたくさん削っていきたくなると思います。そこで削ってしまった後、読み返してきちんと意図は伝わるか。削りすぎてはいないだろうか、とチェックします。第三者に読んでもらえると一番いいですが、自分でもチェック出来た方がいいです。
こうして書いていくとわかるのですが、結局の所「必要あるのみ」という言葉に尽きます。
エンターテイメントなので「遊び」という意味の無駄は必要です。
ですが、その「遊び」が必要なのか。
それを見極めていくことが大切なのだと思います。
参考になれば幸いです。
物語の作り方。
こんにちは、晴丸です。
今日は物語の作り方について。
長編と短編で組み立て方は少し異なりますが、長編で物語を考えるとき、どうやって考えているかを書いていこうと思います。
よく物語を考えるときに使われるのが「起承転結」ですが、晴丸はあまり好きではありません。
そもそも「起承転結」は漢詩の構成であって小説のために作られたものではありません。
特に、エンターテイメント性の強い作品の場合は「起承転結」を律儀に守って組み立てようとすると作りづらくなると思います。
そんなときに使えるのが「序破急」です。「序破急」は元々雅楽の概念です。
まぁ序破急でなくてもいいんです。要するに三部構成で考えましょう、ということです。
ハリウッド映画の脚本も三部構成で作られることが多いそうなので、エンターテイメントとしては「序破急」の方が使いやすいと思います。
「序」……作品の発端。読者を引き付ける要素を盛り込む。
「破」……暗雲、期待。物語に波乱を感じさせ、読者に期待を持たせる。
「急」……解決。物語に起こった波乱を解決させ、読者に満足感を与える。
これを使って大まかにストーリーを立てます。
例:「桃から生まれた桃太郎が(序)、鬼ヶ島の鬼が悪さをしているという話を聞いて、家を飛び出し仲間を集め(破)、鬼ヶ島に乗り込みついに鬼退治をする(急)」
こんな感じです。
ですが、このまま書き出そうとすると大体失敗します。もっと細かく分けていかねばなりません。
長編小説は大体30~40程のシーンで作られています。
なので、「序破急」をそれぞれ10個ずつに分割し、それぞれでワンシーンを描くように物語を組み立てていきます。
例;「あるところに子どものいない老夫婦がいた。おばあさんがいつものように川へ洗濯に出掛けると、大きな桃が流れてきた(序−1)、桃をなんとか拾い上げて家へと持ち帰り、おじいさんと相談し割ってみることにした(序−2)、桃を割ってみると、なんと中から男の子が出てきたではないか(序−3)……」
このように「序−1〜序−10」「破−1〜破−10」「急−1〜急−10」の30シーンを作ります。
このとき、各−8,9で物語盛り上がるように展開を考え、急−8,9で最高潮を迎えるように考えていくといいかな、と思います。
これをきっちりと作れたら、各シーン大体2000〜5000字で書いていきます。
そうすると全部で10万字程の長編小説が出来上がります。
新人賞への投稿用として書いていると「どうしても長くなって規定の字数をオーバーしてしまう」という悩みを持つ人が いると思いますが、この方法を使って各シーンとその字数を意識して書くことで回避出来ると思います。
参考になれば幸いです。
※「ひめとり!」もこの方法で書かれた作品です。
単巻ライトノベル、おすすめの1冊。
・長いシリーズもののライトノベルはちょっと…そんな方にオススメしたい一巻完結のライトノベル! : 本達は荒野に眠る~まだ見ゆ最果てへ~
・オススメしたい一話完結のライトノベル - 読書する日々と備忘録
これらの記事を読ませていただいて、自分が好きな単巻ライトノベルがなかったので、おすすめを。
ライトノベル短編連作集です。
ライトノベル短編連作集というと「ある日、爆弾が落ちてきて」が有名です。晴丸も好きですが、この眠り姫もとてもいい作品です。
特にこの作品に入っている「さよなら、アーカイブ」がものすごく好きです。影響されて学生時代、存在しない本の読書感想文を書いたりしました。
図書館司書の先生と学生との淡い恋物語です。
結構前の作品で手に入りにくいので、以前は紹介しにくかったんですが……気づいたらKindle版が出ていたので紹介してみました。
おすすめの小説創作指南書
このブログでは、晴丸がこれまでに色々と試してきた、文芸創作にまつわるいろいろな事について書いていきたいと思います。
第1回目は「おすすめの指南書」です。
晴丸はこれまでに10冊以上の文章の書き方・物語の作り方に関する本を読んできました。
その中でも特にこれは役に立った! と言える1冊をご紹介したいと思います。
- 作者: ディーン・R.クーンツ,Dean R. Koontz,大出健
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 文庫
- 購入: 70人 クリック: 386回
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この本は入門書というよりはある程度、創作するようになった人が直面するであろう悩みについて具体的な例を上げながら、対処法を書いてある本です。
・アクションシーンはどのぐらいの分量で入れるのがいいのか。
・描写の仕方で読者に与えるイメージの差。
・作品で盛り上げる場面を作る方法……などなど。
かなり前に書かれた本なので、これをこのまま現代の作品に取り込もうとしたら大変だと思います。
ですが、ヒントになることがものすごくたくさん詰まっています。
「自分の創作力をもう一段上げたいけど方法が分からない」
そんな悩みをお持ちの方に是非。