物語の類型の使い方【貴種流離譚・異類婚姻譚】
こんにちは、晴丸です。
今日は「物語の類型をどう使うのか?」を「貴種流離譚」「異類婚姻譚」をの説明を交えつつ書いていきたいと思います。
貴種流離譚とはざっくりいうと、
「高い身分の出自を持つ者が、不幸な境遇に置かれ各地を放浪し、その中で冒険をし、最終的に元の地位やそれを超える成功を手に入れる」
ような物語の形です。
世界各地に似たような物語が転がっており、スサノオの神話・源氏物語・鉢かづき姫・オイディプス王・三国志演義などなどたくさんあります。
近年のライトノベルでは「とある飛行士への恋歌」もこのタイプです。
異類婚姻譚とは、ざっくりいうと、
「人間と、人外が結婚する物語」です。
こちらも世界中に似た物語がありますが、日本では鶴の恩返しや浦島太郎が有名だと思います。
異類婚姻譚は、タブーを犯すことにより別離で終わるタイプが多いですが、異界と交わることで幸せになるパターンも存在します。
最近の作品では「おおかみこども」がそれに当たります。
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Q.貴種流離譚・異類婚姻譚が物語の形として使われることはわかったけど、じゃあどう使うの?
今回はそこについて解説していきます。
例に用いるのはこちら、
晴丸の著作を使っていきます。
このブログをご覧の方はきっとひめとり!をお読みくださっていると思うのですが、要所はぼかして書いていきます。
Q.この二つをどう使っているの?
A.主人公サイドから見ると「異類婚姻譚」ヒロインサイドから見ると「貴種流離譚」
この物語は主人公から見ると、純粋な異類婚姻譚です。
人間の男子が、なんやかんやあって妖怪の女の子と結婚し、すったもんだの末、幸せになる。
そして、一般的には主人公に適用される「貴種流離」の要素をヒロインに持ってきました。
ヒロインは「百鬼夜行を率いる妖怪、夜行家の姫」(貴種)だが、部下の裏切りにより百鬼夜行を乗っ取られ、今は人間の世界に隠れ住んでいる(流離)。
その後、主人公と出会い、なんやかんやあり、彼の助けを得てなんやかんやの末、幸せを手に入れる。
赤字部分やこれが本当なのか気になる方は「ひめとり!」を読んで確かめてくださいね!
晴丸はこの二つを組み合わせて物語を組み立てました。もちろん、これは大まかな枠組みです。スパイスとして父殺しの要素を混ぜたりもしています。
物語の類型を使うと「安定した物語の流れ」を作ることが比較的容易です。
今回紹介した二つ以外にも、物語の類型はたくさんあります。
自分の使いやすい類型を見つけると、物語を作る際に捗ると思います。
誰かの参考になれば幸いです。