物語の作り方。
こんにちは、晴丸です。
今日は物語の作り方について。
長編と短編で組み立て方は少し異なりますが、長編で物語を考えるとき、どうやって考えているかを書いていこうと思います。
よく物語を考えるときに使われるのが「起承転結」ですが、晴丸はあまり好きではありません。
そもそも「起承転結」は漢詩の構成であって小説のために作られたものではありません。
特に、エンターテイメント性の強い作品の場合は「起承転結」を律儀に守って組み立てようとすると作りづらくなると思います。
そんなときに使えるのが「序破急」です。「序破急」は元々雅楽の概念です。
まぁ序破急でなくてもいいんです。要するに三部構成で考えましょう、ということです。
ハリウッド映画の脚本も三部構成で作られることが多いそうなので、エンターテイメントとしては「序破急」の方が使いやすいと思います。
「序」……作品の発端。読者を引き付ける要素を盛り込む。
「破」……暗雲、期待。物語に波乱を感じさせ、読者に期待を持たせる。
「急」……解決。物語に起こった波乱を解決させ、読者に満足感を与える。
これを使って大まかにストーリーを立てます。
例:「桃から生まれた桃太郎が(序)、鬼ヶ島の鬼が悪さをしているという話を聞いて、家を飛び出し仲間を集め(破)、鬼ヶ島に乗り込みついに鬼退治をする(急)」
こんな感じです。
ですが、このまま書き出そうとすると大体失敗します。もっと細かく分けていかねばなりません。
長編小説は大体30~40程のシーンで作られています。
なので、「序破急」をそれぞれ10個ずつに分割し、それぞれでワンシーンを描くように物語を組み立てていきます。
例;「あるところに子どものいない老夫婦がいた。おばあさんがいつものように川へ洗濯に出掛けると、大きな桃が流れてきた(序−1)、桃をなんとか拾い上げて家へと持ち帰り、おじいさんと相談し割ってみることにした(序−2)、桃を割ってみると、なんと中から男の子が出てきたではないか(序−3)……」
このように「序−1〜序−10」「破−1〜破−10」「急−1〜急−10」の30シーンを作ります。
このとき、各−8,9で物語盛り上がるように展開を考え、急−8,9で最高潮を迎えるように考えていくといいかな、と思います。
これをきっちりと作れたら、各シーン大体2000〜5000字で書いていきます。
そうすると全部で10万字程の長編小説が出来上がります。
新人賞への投稿用として書いていると「どうしても長くなって規定の字数をオーバーしてしまう」という悩みを持つ人が いると思いますが、この方法を使って各シーンとその字数を意識して書くことで回避出来ると思います。
参考になれば幸いです。
※「ひめとり!」もこの方法で書かれた作品です。